肩こりの原因は主に、肩とその周りにある筋肉の緊張です。肩と周辺の筋肉に酸素の足りない血がうっ血し、疲労物質が溜まったままに。そうして、あの肩こりの独特な辛さを呼んでしまうのです。
さて、デスクワーク中心のビジネスマンやOLさんに多くみられる肩こりさん。オフィスでは体を動かさず、パソコンの前にかがんで座って作業ばかり。しかもノルマや締め切り、人間関係など、緊張感でいっぱいですから、コリコリになるのは当然のことかと思います。
「それでもこのつらい肩こりをどうにかしたいんだよ~~!」とオフィスでお悩みの皆さんにむけて、今回は肩こり解消に役立つかんたんなノウハウをご紹介いたしましょう。
緊張感の解消に! 「気づいたらストレッチ」
肩こり解消のために効果的なストレッチは、実はとっても簡単。2分で完了、効果バツグンです。
(1)最初に両肩をぐーっっっ……と力一杯持ち上げて、そのまま少しだけストップ。
(2)それから今度は、肩の力をパッと抜いて、肩を下に落とします。
(3)これを2~3回、繰り返します。
「ちょっと肩が重いな~」と感じたときにやってみてください。すると、肩の血行が改善されて楽になるのはもちろん、肩に掛かっていた「よけいな力」が抜けていきます。
実は現代人の多くは、「いま体に力が入っているのか、力が抜けているのか、さっぱり自覚できていない」という人がほとんど。このストレッチをやっていくと、「肩の力を抜く」ということが、だんだん体でわかってきますよ。
そうすればしめたもの。肩に掛かっていたよけいな力がさらに抜けて、あなたの肩こりが解消に向かっていくのです。
これまた効果的、「深呼吸」でリラックス度アップ!
上司からのむちゃな指示。ノルマ。締め切り。部下のミス。お客さまやお取引先からのクレーム……。
こんな感じで、緊張しっぱなしのオフィスワーク。仕方がないとはいえ、この緊張感はあなたの肩こりを悪化させる原因のひとつです。
そんなガチガチの緊張感の解消にスグに役立つのが「呼吸法」。座りながらでもできますので、本当に簡単ですよ。
(1)まずは大きく息を吐き、そしてお腹の底に届くように、鼻から息をスーッと吸い込みます。
(2)数秒をかけてお腹いっぱいに域が入ってきたら、ふたたび口から息をふーっと吐き出していきます。
(3)これを数回、繰り返します。
いかがでしたか? これだけでも緊張感が少し和らいだかと思います。
スポーツ選手や武道家も活用している深呼吸
さて、なぜ深呼吸はリラックス効果が高いのでしょうか?
その秘密は、「深呼吸によって自律神経が調整される」という体の仕組みにあります。自律神経とは、人間の「ホメオスタシス」、つまり恒常性をつかさどる、とても大事な機能です。
まず、深呼吸によって胸やお腹の筋肉がストレッチされて、緊張がゆるみます。ゆったりした呼吸は心臓のリズムを落ちつかせる効果がありますので、これによって自律神経全体が調整され、脳の落ち着きを取り戻しやすくなります。その結果、からだ全体がリラックスし、肩の力も抜けていく……というわけです。
よくスポーツ選手や武道家が、試合の前に深呼吸をしているのをご存じの方も多いかと思います。彼ら彼女らは一瞬の迷いが勝敗を決める世界に生きています。最高のパフォーマンスを出すためには、緊張しすぎていてもダメ。かといってリラックスしすぎていてもダメ。最高のパフォーマンスを出しやすい「ちょうどいい緊張感」を保つのに、この深呼吸がとてもいい、ということを、彼ら彼女らは知っているのです。
ほんの10秒でもできる、この深呼吸。肩こりはもちろん、日々のいろいろな場面での効果が期待できますので、ぜひ実践してみてくださいね。
パソコンの前のあなた! 姿勢を見直してみましょう
肩こりの原因にはいろいろありますが、大きな原因はひとつが、「お仕事中の姿勢」。
多くの現代人に見られる姿勢「猫背」。オフィス仕事ではどうしても、パソコンのディスプレイに顔を寄せる「猫背」の姿勢になりがちです。
実は、いちばん肩にダメージを与えるのが、この猫背。少しでもこの猫背を解消できるように、工夫してみましょう。
一般的には、胸を開いて、すこしだけパソコンや書類を見下ろすくらいの姿勢が理想的と言われています。
では、こうした理想的な姿勢作りをたすけるヒントをご紹介していきましょう。
まずは椅子をチェック!
とっても大事なのが、あなたの体を支える椅子です。まずは椅子選びのポイントと、肩こりを予防できる座り方のコツをお伝えいたします。
座面は堅すぎず柔らかすぎずで、腰が安定するものを選びましょう。
次に、腰をかけてみてください。「両ももが座面に付いたまま、それぞれの足裏がしっかり床に着く」。このような体制になるまで、椅子の高さを調整していきましょう。
机とのバランスを見てみましょう
次に、椅子に座ったまま、机とのバランスを見てみましょう。椅子をしっかり机側に引いて、背筋を伸ばします。そしてキーボードに手を伸ばしてみてください。
このとき、
- 「ひじが机の上にゆったり付き、手首がキーボードの手前に軽く付くくらいになっていること」
- 「自然とあごを適度に引いたくらいの姿勢になっていること」
- 「ディスプレイを軽く見下ろすくらいの目線になっていること」
を確認してみてください。もしそうなっていなかったら、面倒でも、机の高さ、椅子との距離、パソコンの位置を調整してくださいね。
さてこれらのポイントを満たせる状態になると、とても姿勢のバランスが良くなります。首が背骨の上にきっちりバランス良く乗るかっこうになり、首や肩への負担が減るからです。しかも胸が適度に開きますので、さらに肩の負担が軽くなります。
しばらくこの理想的なバランスの姿勢を取っていると、「心地よい」という感覚が生まれてくるはずです。
いったんこの「心地よい」状態を体が知れば、しめたもの。人間の体というのはなかなか機能的に出来ていて、こうした「自分にとって心地よい姿勢」をいったんおぼえることができれば、その姿勢に直すように自然と動き始めます。
いつも自然に、こうしたバランスのよい姿勢になっているといいですよね。ぜひ、ご自身の感覚を信じつつ、体をいたわりつつ、自然と良い姿勢がキープできるようになるまで、工夫してみてくださいね。
近い将来にはきっと、「あれ、なんだか軽い……」と、肩こりから解放された自分に気づかれることでしょう。
記事一覧
- 【その1:オフィス編】>>2011年5月公開:最新記事
- 緊張と猫背に要注意!オフィス仕事は肩こりの敵
- 【その2:食生活編】>>2011年5月公開:最新記事
- 筋肉疲労とストレス解消を手助け!肩こりさんに最適な食事とは?
- 【その3:睡眠編】 >>2011年6月に公開予定
- これは意外!あなたの寝具が肩こりをひどくする
- 【その4:フィットネス編】 >>2011年6月に公開予定
- 2分で完了!朝晩の肩こり予防体操
- 【その5:心理編】 >>2011年7月に公開予定
- 「溜まったネガティブ感情」が悪影響、感情解放テクを大公開
- 【その6:グッズ編】 >>2011年7月に公開予定
- 「お手軽リラックスグッズ」で、あなたのつら~い肩こりを解消!
- 【その7:整体院・マッサージルーム編】 >>2011年8月に公開予定
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